■マルシヤック
新世紀が明けて間もない2001年1月。
私は石田ソムリエとワインジャーナリスト・康子さんと一緒に南仏の生産者を何軒もまわる旅をしていました。
石田ソムリエが以前、パリのビストロで一度だけ飲んだことがあるという「マルシヤック」。ボルドーとラングドックの中間に位置するそのワイン産地へも足を運ぼうということになりました。
この耳慣れない産地に関する文献は、日本はおろかフランスにもほとんどありません。とにかくその石田ソムリエの「記憶に残っている1本」を求めて、南仏から7時間をかけての旅でした。
アポイントはかろうじてフランスの文献で拾うことができた大手の協同組合だけ。あとは現地を走りながらの突撃訪問・突撃テイスティングだったのです。
そして巡り合えたのがジャン=リュック・マッタさん。
協同組合にあった地元の本では「この地域のベストの生産者の一人」と記されてありました。
このワインはとても美味しくて、そして独特です。
品種はフェール・サルヴァドーFer Sarvadouというカベルネから派生したもの。土壌はルジェRougierと呼ばれる真っ赤なものです。
そして圧巻は急激な斜面! 日本のお茶畑みたいに段々畑になっているほどです(この斜面が素晴らしい水はけと日照を確保しているんですね)。
フランスは新発見のワインなんてないほどに研究され尽くされた国ですが、やっぱりあったのです、知る人ぞ知る「発見のワイン」。
産地も品種も土壌も全部耳慣れず、たいした情報もないワインですが、こういう場合はとにかく理屈抜きに味わってみるに限ります。
そして私たちが初めてテイスティングしたとき、あまりの素晴らしさに驚きの声を上げてしまったのです。石田ソムリエの記憶にくっきりと残るだけの素晴らしさがそこにありました。
スパイスやペッパーを感じさせるカベルネ系の香り、深みと複雑味のある果実の味わい、その深い味わいに美しく調和するボリュームのある酸味、それらが一体となってエレガントなバランスを保っているのです。
私たちは一口飲んだ瞬間に、笑顔で顔を見あわせてしまいました。
そんな驚きのワインを造るのはジャン=リュック・マッタさん。
いかめしい農夫然とした風貌ながら、エネルギッシュに明るく大きな声で話し、ぱらぱらと訪れる観光中の訪問客にも茶目っ気たっぷりに対応する、とっても気持ちの良い、はじめて会っても和めるような方です。
熱弁を振るってマルシヤックの畑の素晴らしさを説明して下さる彼の手を眺めれば、ごつごつとしてとっても大きく、爪のそばには生産者特有の染み付いた赤ぶどうの色素が……。
ジャン=リュックさんの手をみて、彼なら信頼できると私は直感的に思ったのです。
お話を良く聞くと、フェール・サルヴァドーという品種は成熟の難しいぶどう品種で、丁寧に畑を管理してやらないと青みや苦みのあるバランスの悪いワインになってしまうのだそうです。こういった産地では真面目で情熱のある生産者を選ぶのが特に大切なのですが、ジャン=リュックさんに出会えたのは私たちの幸運だったと思います。
そして驚くことに、その品質から考えるとお値段もとってもリーズナブルです。皆さんのデイリーワイン、ちょっとしたお料理を用意したときに楽しむワイン、などのレパートリーに加えられることとなればなによりです。
「関連記事」に詳しいデーターや情報がありますので、あわせてご覧くださいね!
> サテライト・パリ 第5回
> ワイン紀行文 第6回
> イシダ・ファイル 「マルシヤック」
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マッタ・マルシヤック・キュヴェ・ライリス2005
Jean Luc Matha Cuvee Lairis 2005
いくつもの香り成分が絡み合っていて、とても濃縮なカシス・リキュールの香りと、数種類のスパイス(リコリスや丁字など)の香りが感じられます。
とてもパワーの溢れる味わいがしたので、抜栓してから30分ほど置いておいてみたのですが、その30分後の美味しいこと。
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マッタ・マルシヤック・キュヴェ・ペイラフィ2000
Jean Luc Matha Cuvee Peirafi 2000
キュヴェ・ペイラフィは発酵中は1日に2回、人力によるパンチダウン(自然に浮かんでくるぶどうの果皮などを沈めることで、これによって液中に充分なエキスを抽出する作業)を行うそうです。
年間で12000本だけしか生産されていないこのワインをご購入いただけるのは、日本ではイーエックス・ワインだけです。
| 3000円 |
申し訳ございません。
ただ今品切れとなっております。
(入荷日は未定です) |
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