できる限り自然にまかせたワインを醸造し、今でこそ珍しくはなくなったノンフィルター、ノンファイニングという新手法を取り入れ、当時はとても話題になりました。でも、それは単なる話題づくりではなく「テロワールの尊重」だったんですね。
そうして仕上がったモレ・サン・ドニは、これまで表現されてこなかった、モレ本来のテロワールが溢れてくる素晴らしいものだったんです! このワインの登場によって、モレ・サン・ドニ村とドメーヌ・デュジャックは一躍スターダムにのしあがります。
お隣のジュヴレ・シャンベルタンがパワフルで頑丈なワインに仕上がるのに対し、モレ・サン・ドニは濃厚で力強いながらも、もっと柔らかさと繊細さを持ったワインに仕上がります。色の濃さは生産者によって色々ありますが、味わいの共通点は「しなやかさ」。
デュジャックのワインは明るい色からは想像がつかないほどのパワーを持つ味に仕上がっていますが、口に含んだあと、ワインはスルリスルリと喉の奥まで入り込みます。このしなやかさはモレ・サン・ドニ随一。余韻に長く残る果実の風味も素晴らしいのですが、口の中にふんわりと残るきめ細かなタンニンも何ともいえません。
モレ・サン・ドニを知るのに一番手っ取り早い方法は、デュジャックのワインを飲むこと。問題はデュジャックのワインが一般の小売店に並ばないところでしょうか。
パワーが持ち味のジュヴレや、エレガントさが長所のシャンボールとは全く違う、柔らかいながらも決して折れることない、強さを持ったしなやかさ。モレ・サン・ドニの真髄をぜひご堪能下さいね。 |