「凍ったぶどうでワインを造る」と言ってしまうと簡単に聞こえますが、ぶどうが木に実っている状態で凍らせないといけませんから、全ては天候まかせです。
収穫を行うのはもちろん厳しい寒さを迎えた真冬で、それも一番気温が低い夜中から明け方にかけて行われるんです。凍てつく畑の中での収穫作業は考えただけでも体がガチガチ震えてしまいますよね。
いくら寒いドイツといっても、冬になれば必ず凍るというわけではありません。暖冬にでもなれば1本も造れない年もありますし、通常通りに氷点下がくるとしても、それが今日なのか明日なのかはわからないんです。
造り手たちは冬になると毎日空を見上げ、「明日の朝は氷点下になりそう」という前夜から収穫の準備を始めます。
予想が的中して氷点下になれば収穫できますが、「待ってみたけどぶどうが凍らなかった」という日はまた次回に持ち越し。次の氷点下の晩を待つんです。それこそクリスマスもお正月もなく、造り手たちはただ氷点下の日を待ち続けるんです。
真冬の氷点下、指先から体の芯までガチガチに冷える過酷な重労働の末に収穫されるアイスワインのぶどう。アイスワインは「神様からの恵みの酒」と呼ばれていますが、その表現には疑問を感じますね。
こんな状況で頑張る造り手たちの苦労を見れば、神様の恵みは一部だけで、残りは全て「造り手の努力の結晶」だと思いませんか? |